勉強の技術

こうした教育の危機を目の当たりにして、L. ロン ハバードは独自の教育方法を提案しました。 自身の約40年にわたる教育者としての経験から導き出されたもので、効率のよい学習を妨げているものが何かを包括的に理解する試みです。 ハバード氏はさらに、そうした障壁を克服するための正確な技術、つまり、あらゆる知識の学び方とその適用に関する技術を開発しました。

教育分野での彼の貢献は「勉強の技術」として知られ、学生たちに学ぶ方法を教える際の取り組み方としては初の、極めて実践的なものであると言えるでしょう。 教材に書かれていることを理解する上でのすべての困難を認識し、解決するための手段を与えてくれるもので、さらに、勉強のコースを続ける上でのあらゆる失敗の根底にある、以前には知られていなかった障壁も示されています。 つまり、勉強の技術とは、誰もがどのようなものでも学ぶことができるようにしてくれるものなのです。

というのも、それはすべての人に共通する基本原理に基づいているからです。社会経済、文化、人種を越えて人々が使うことができます。 また、それはすべての年齢層において一様に成果をもたらしています。 この主題の教科書となるのは、『基礎からわかる勉強の技術』、『人生のための勉強の技能』、『学び方がわかる本』の3冊で、それぞれは、単に題材の切り口が違うだけです。 最初のものは12歳以上を対象としたもの、2番目は若年層の読者を対象としたもの、3番目は8歳から12歳の子供を対象に、勉強の技術の基本を教えるものです。

「いかなる社会においても、教育の問題に取り組む場合には、まずひとりひとりの能力、率先力、文化のレベルを高め、それに基づいて社会全体の生存のレベルを高めることが目的であり、目標です。 どれかひとつでもなおざりにするということは、その社会は自らの教育システムによって自らを滅ぼしていることになります。」

—L. ロン ハバード

ハバード氏による学習と読み書き能力のための技術は、世界規模の企業の役員はもちろんのこと、小学校でも、高校でも、専門学校でも、大学でも、一様に効果をもたらしています。 さらに、理解する際の3つの障害に関しては、どの生徒においても同一であるため、期待される最終結果はどの分野においても同一です。

勉強の第1の障害

質量または勉強している実際の物体の欠如

勉強の第2の障害

高過ぎる段階

勉強の第3の障害

理解していなかったり、間違って理解してしまった単語を通り過ぎ、そこから先が全く空白になること

まず、1番目の勉強の障害をハバード氏は「質量の欠如」と表現し、その障害を、質量(つまり実物)なしで学ぶ際に起こる、明らかな生理的反応という点から定義しました。 例えば、トラクターの運転操作を習得しようとしている時に、実際のトラクターや、トラクターの映像、イラスト、模型などがなかったりすると、頭痛やめまいなどを含む、さまざまな反応に苦しむでしょう。

2番目の障害を彼は「高過ぎる勉強の段階」と表現し、必要な以前のステップを把握せずに特定の情報や技能を習得しようとすることと定義しました。 例として、手足を連動させて、動いている車のギアを入れ替えることができない自動車学校の生徒を示しています。 ギアを入れ替えることの複雑さに困難が見られると想像するかもしれませんが、実際は、何か以前に理解していない、または習得していなかった技能があるのです。それは、単に車を道から外れないように走らせることかもしれません。

3番目の、そして最も重要な障害は「誤解語」です。彼は以下のように説明しています。ページの終わりまで読んで、たった今読んだことを思い出せなかった、ということはありませんか? そこに誤解語の現象があります。理解されなかったり、間違って理解された単語をひとつ通り過ぎると、すべてが明らかに空っぽになります。 逆に、問題となっている単語が突き止められ、適切に定義付けられると、すべてが驚くほど明確になります。 誤解語は、心に対して多くの有害な影響をもたらし、人の学習過程全体は言うまでもなく、教育全体にも大きな関わりがあります。 そういった意味で、これは教育における無能さや失敗の背後にある、根本的な問題と言えます。

この問題を矯正するために、ハバード氏は単語クリアーを開発しました。 それは、誤解語を取り扱うひとつの完全な技術であり、「無知、誤解語、単語の間違った定義、そして単語を使うことに対する障害を一掃するという主題および行為」と定義されています。 3つの勉強の障害を乗り越える技術、それが「勉強の技術」です。そしてその技術全体には、あらゆる主題を吸収し、あらゆる技能を身に付けるために知っておくべきものすべてが含まれています。